インターネットという存在で失われた信用や命があるという事を見たり聞いたりしていると、関わりたくないという年代です。

私達の生きてきた世界は、日々の生活や商いの中で信用で取引をし信頼を築いていく事が当たり前でした。インターネットの普及や大型商業施設の出店により、思いを届けるというよりも、便利さを届けるような社会になったと感じております。その結果、私の地域でも小さな商店が年を重ねるごとに減っていく事になり寂しさを感じております。地域に根付いて商いをしてきた仲間も少しづつ減り、今では十分の一以下になりました。あと十年もするとどれだけの数になるのかな、とふと考える時もあります。

今でも『八百屋さんを辞めないでほしい辞めたらどこで仕入れたら良いかわからない』という声も頂きます。そうはいっても、跡継ぎもなく年齢的な事も考慮すると引き際を考えなければいけないと感じています。ただそれまでにもう少し時間がある為、今までお世話になったお客様と社会に対して感謝の意を込めて、八百屋の実情を発信させて頂きました。これから先も作り手の思いも一緒に届ける場が出来ることを願っております。

ネットが嫌い、苦手、そんな暇はない、関わりたくない等が本音ですが、”食”という業界に支えられてきた一人として、これから”食”という業界で生きていく人たちに、人生で学んできた事を伝えることは責務と思い、ニコ魂ミュージアムという場を借りて発信させて頂きました。経験や発信により、同じ轍を踏まない、よりよい環境を未来へ残しつなげていけたらと思っております。

今後私自身の記事が増えることはないかもしれませんが、何事も一人では成り立つことが無い、必ず相手がいる、相手の立場になって物事を判断する社会になる事と、自分が『今現在問題なく生活できている』ではなく、もう一歩先を見て一人一人が目的をもって前に進める社会を願っております。これからは、アナログとデジタルを切って生活をする事が困難な時代になっていくと思いますので、切れないならどのように融合して良い形で未来につなげるかを一人一人が考える時が来たと痛感しております。

思いを届ける八百屋が増えて、誰に頼んだらよいかとお客様が悩まないで済む社会が繋がっていく事を望んでいます。

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