仲間と共に演奏する際に大切なことは、奏でている互いの音を聞く事だと思っています。

音の大きさ、強さ、速度、音色・・・互いの音を感じ取り、思いをのせて仲間と音を重ね共に音を紡いでいきます。楽譜通りに、指揮者の指示に従うということは言うまでも無く、です。

この時によいアンサンブルができると、演奏していてとても楽しく、また演奏も素晴しいものとなると思います。奏者同士の音が調和して初めてそのような演奏になるのだと思います。

メロディーに自分の想いをのせて演奏することは絶対的必須条件です。その表現をどのようにするのか、奏でる自分の音に責任を持つという事になります。

共に奏でている仲間の音を聞き、時には聴くこと、そのなかから自分の最適な音を生み出します。このときに”自分はこのように演奏したい”と自分の気持ちに重きをおいた演奏をしていては、周りの音もよく聞くことが出来ず、最終的な自分の目指したい演奏そのものも見失います。そして調和を求めることは難しくなり、その結果よい演奏にはならないことでしょう。

このことは、日常の会話にも当てはまることだと思っています『相手に思いを伝えたい』と思ったときに、人は主に言葉を発して伝えようとします。このときの言葉の強さや早さ、声の大きさや声色といったもので、聴く人の印象は大きく変わることでしょう。

私は、人に話をする時に、”自分の気持ちや意見を分かってもらいたい”という思いが強く、語調が強くなったり早口になってしまったり、気持ちがあふれてしまって『相手が聴ける音を出していない』ことで、多くの失敗をしてきました。

さらに、会話は”言葉”なので、その言葉煮込めた思いを深く感じとる事が必要になるのですが、言葉の音を聞いて反応してしまい、言葉に込められた思いを”聴く”ということが出来ずにいたように思います。

話し方が下手なので、楽器を練習するのと同じように話し方を練習するしかありません。そして、”音を出す”こと・・つまり会話をしなければ身につかないことでもありますので、恥ずかしながら周りの力をお借りしながらの一生修行の身であります。

耳に感じ取る”聞く”ということと、さらに注意して耳にとめる、耳を傾ける”聴く”ということ

音楽で経験してきた感覚を人との会話の中でも忘れずに、自分の表現を磨くこと

きちんとブレス(呼吸)をとり、自分の思いを伝える”言葉”を選び、より最適な伝えられる”音量・音色・テンポ”で発声すること

楽器演奏と同じように私自身がこれを身につけること、さらには同じようにお互いに話ができれば、会話というセッションができるように思います。

さあ、Let's practice!

2022年 柔らかな綠の季節に

Sui_Ren

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