自分自身をみるのは難しい...。このみるは「観る」です。

バレエのお稽古では必ず鏡と対面します。鏡に映る自分の姿を客観視して、直す部位を確認したり、鏡に映る自分の動作が、イメージと合っているかなど、鏡に映る情報を自分のために使います。「鏡→自分」で、受信者として鏡を観るのです。しかし背面などは簡単には観られません。見えないと観ることを忘れがちです。自分の中にある感覚を研ぎ澄ませて、身体から伝わる感覚が鏡にどう映るか、「身体→鏡→脳」で観てみます。

以前は鏡を「自分→鏡」で、見たいように見てました。見たくない(出来ていない)部位や動きは、無意識に削除しているのです。「脳→鏡→身体」で脳発信で好きなように動き、鏡に映るダメな動作を観られず、身体に無理を強いてしまいケガや故障を引き起こしてました。

なぜケガや故障をするのか、踊ることばかりを考えていたときには、一番大事なこの問いを、自分に向けることはありませんでした。原因は大抵自分の中にあって、鏡は教えてくれていたのに、観ることが出来ていなかったのです。気付く迄に随分と時間がかかりました。

お稽古中、皆さんには「鏡を観ましょう、鏡の中に答えがあります」と声かけをしますが、これを理解してもらえるかそれまでは我慢です。「見る」が「観る」になると、お稽古の受け方がどんどん変わって、アドバイスをしっかり理解出来るようになります。そして変わっていく皆さんを観ることで、自分自身の観る感覚が磨かれているようにも思うのです。

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